ひこうき雲 
あらすじ

【物語】
55年前の太平洋戦争末期、特攻隊の航空基地で、「元神風特攻隊がゲスト」という不思議な電波がラジオから響いてくる。その放送を聞いてしまうのは、整備兵の中原正人少尉と特効隊員の坂本光太郎少尉。二人は同郷の親友同士で、九州の航空隊の基地で再会したばかりだった。二人は、次第に、その奇妙な放送が西暦2000年から聞こえているラジオ番組である事に気付いてゆく。そして、その放送内容から、1945年8月15日に日本が負けて戦争が終わることを知る。そこで二人はその事を上官達に報告し、無駄な特攻攻撃をやめさせようとするが、信じてもらえず、坂本光太郎少尉にも特効命令が下る。その前夜、ラジオの神様は粋な計らいをみせる。
ミレニアムの今年、55年前の若者達に贈るラジオミステリー奇跡の物語。



『俺の特攻機しっかり整備してくれよ。』

鹿児島海軍航空隊基地で再会した
整備兵の中原と特攻隊員の坂本は幼なじみだった。



『なんで戦争なんかしてるんだろう?』

天野は親友の後藤に語りかけるのだった。



『最後は気力に頼るしかない』

岩崎少佐は特攻隊員達に最後の講義をするのだった。


『子供の誕生が先か、俺の特攻が先かといったところだ。』

後藤はまだ見ぬ子供への思いを妻智恵子に、
最後の手紙としてたくす。


『これはいったい??』

ラジオから流れてきた未来からの不思議な放送を聞いてしまった二人は、
終戦が間近にせまってきていることに気づいてゆく。


『神様が行くなって教えてくれてるんだよ』

明日にも特攻命令が下る坂本は中原の必死の説得に、
この不思議な放送について、上官への報告にゆく事にする。


『この腰抜けが!俺達の心を乱して何が面白い!』

「未来からの放送」というあまりにもとっぴな話に後藤達は怒り、
信じてもらえるどころか、殴られるはめに......。

しかし、その夜、坂本は摩訶不思議な体験をすることになる。

そして...................。




『信じるよ。未来の日本の若者達も、
俺達と同じように祖国を愛し、家族を愛し、
同じ人間同士が殺し合いなどしなくていい世界をつくってくれると』






『平和な21世紀でありますように。』