今週のお題「t.A.T.u狂騒曲」(2003.7.2)


 いやぁ、やってくれましたね、タトゥー。Mステーションのドタキャンにイベントも中止したと思えば、銀座に現れてカラオケ・ボックスで歌を披露。この数日間、ロシアの小娘二人に日本中が巻き込まれたという感じです。スポーツ誌のみならず一般誌、そして夜のニュースまでもがこぞって取り上げたおかげで、歌を聴いたことがない人でもとりあえず「ドタキャンしたロシア人」をどこかで目にしたり聞いたりしたということ。そういう意味では本人達にとっては最高のプロモーションになったわけで、やっぱりあのクセ者マネージャーの策略がプンプン匂ってくる。私もその策略にまんまとはまり、ワイドショーなどは逐一チェックしていたのだけど、ゲストで出演していた音楽評論家や映画評論家達が今回の事柄について「珍しいことじゃないのに、なんでこんな大騒ぎするの」とコメントしていたのが笑えた。確かに色々な海外のアーティストやスターに会っているとそういうことに慣れてくるものね。私も最近、ハリウッドスターに会う機会が増えたのだけどちょっとのことじゃ驚かなくなったもの。それにしても一番大変なのは周りのスタッフです。海外のスターになると海外のスタッフと日本のスタッフがつくわけで、お互いの意思がうまく通じないなんて事は日常茶飯事。
 先日、大阪でマライア・キャリーにインタビューした時も大変でした。レコード会社の人に連れられ、私とディレクターの二人で向かおうとしたら、途中でマライア側のツアー・マネージャーに「一人しか入れない」と止められる羽目に。話すのは私だけで彼は機材係だと説明しても受け入れてくれず、「入れるのは一人だけ。今決めなかったらインタビューは無し」と一言。とっさに「私が行きます」といって次の通路までに録音をどうすればいいのかレクチャーしてもらうけど、良くわからない。結局、ディレクターに録音ボタンを押してもらい、そのまま録音しっぱなしでインタビュー場所に行く事にした。つまり、待機中の音もみんな入っていたわけ。マライアの待つ部屋の前で、まだもめてるスタッフを見ながら「大変だなー、大変だなー」と呪文のように呟く自分の声には笑えました。でもインタビューを終えた後には、なんだか少し自信がついたような感じでちょっと満足。そしてスタジオのミキサーさんに「音のバランスも良く録れてたよ」といわれて大満足でした。いいことなのかどうかわかりませんけど、こういったことにだいぶ慣れてしまったようです、私は。
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