ベトナムにて
ストリートチルドレンへ。

それが幸せの鳥である事を伝え、
鶴の折方を教えると、
彼は黙々と鶴を折った。

何羽も何羽も。

そして何羽も何羽も
私にくれた。

私の折った鶴を一羽あげると、
嬉しそうにポケットに入れた。


幼くして親に捨てられた彼。

辛い事、沢山知ってるから、
あんなに優しいのだろうか。

彼女の唯一のプライベートゾーンである場所、
二段ベッドに招かれた。

そこで彼女は、私にそっと宝物を見せてくれた。
金色の一本のクレヨン。
彼女はマットの下から紙を取り出し、
小さな花を書いて
私にくれた。

幼くして母親を亡くした彼女。

辛い事、一杯感じているから、
あんなに優
しいのだろうか。

何も出来ない私に、
彼らは沢山の愛をくれた。


別れに手が放せず、
何度も何度も伝えた。

幸せになってね。
幸せになってね。


不思議そうな目で私を見て
彼らは笑った。


私は涙が止まらなかった。