僕が仕事をさせていただいているラジオ業界の中でも今、コミュニティーラジオが注目されている。
地域密着、災害時の情報発信などが強みであるコミュニティー。
小さな国、日本の中にも、忘れてはならないその土地その土地の文化や習慣がある。
コミュニティーラジオの存在で守られていることも大いにあると思う。
今、若者の間で、「和」の文化が見直されているが、忘れてはならない古きよき文化は、
日本の限らず世界中に残っている。
その中で、マヤ先住民のコミュニティーラジオ局を支援している団体がある。
それが、反差別国際運動、IMADR(イマダー)である。
グァテマラのボカコスタ地域にコミュニティーラジオ局を作り上げた。
マヤ先住民たちが必要とする情報を伝え、マヤ言語や文化を維持し伝承する手段となっている。
政府と先住民の内戦が20年以上も続いていたグァテマラ。
紛争中も紛争後も、マヤ先住民にとってアイデンティティーを保つことは、まさに生きている証であろう。
 彼らに限らず、世界中には、マジョリティーがマイノリティーを支配しようとする図式は色濃く残っている。
インドで言えば、カースト制のもと「不可触賤民」と呼ばれる「ダリット」
同じ井戸を使うことも、同じ寺院を訪れることも、喫茶店で同じカップを使うことも許されないという。
そしてヨーロッパの「ロマ」といわれる人々。この言葉はなじみないが、いわゆるジプシーといわれる人々である。
もちろん日本にも残っている、部落差別。
出生の違いによって様々な差別を受けている。
この反差別国際運動では、身分制度に基づく差別の問題を扱っている。
マイノリティーや先住民たちの結束を強め、不正義を受けてきた人々を手伝って行くプロジェクトを行っている。
正直、難しい問題である。見た目は自分たちと何ひとつ変わりがないが、
作られた身分の言葉が心の深いところで残っている。
様々な身分制度がどのように作られていったのか、歴史を知らなければ何も語ることが出来ない。
やさしさだけでは解決しようがない問題だ。
今回、お話を伺えたことは、自分にとっても大きな気付きを与えてくれた。まだまだ、勉強が必要です。

 p.s 事務局長の 森原 秀樹さん ありがとうございました。
グァテマラ・マヤ先住民族の
コミュニティラジオを運営するリーダーたち。
グァテマラ西南部山岳地域にできた
マヤ先住民族のコミュニティラジオ局
(2004年9月)
スリランカ全土から被災した
マイノリティを集めた証言集会を開催
(2005年8月)
ドイツのロマ当事者団体とともに、
スロバキアのロマ居住地の実態調査(2005年6月)
在日コリアン集中地区(宇治市ウトロ)への
強制立ち退き問題を国連の専門家にうったえる。
(2005年7月)
世界各地の被差別マイノリティの実態を報告する
シンポジウムをメキシコで開催(2004年11月)
大津波の救援・復興過程から取り残されるダリット
(被差別カーストの人びと)のうったえを聞く
(2005年2月)
大津波で被災したスリランカのマイノリティ
(ムスリム)の女性グループを組織する(2005年8月)