子供たちの元気な姿、気取ることのない自然な表情、しぐさの写っている写真が沢山あった。思わずこちらも笑みがこぼれてしまうものばかりだ。 見ただけで現場の様子が、子供たちの声が聞こえてきそうな数々の写真。本当に素晴らしいものばかりだった。 今回の取材先は、幼い難民を考える会、CARING FOR YOUNG REFUGEES=CYRである。 1980年、内戦によって難民となったカンボジアの子供たちが、少しでも人間らしい環境の下で暮らせるようにと支援が始まった。12年前に内戦は終結したが、当時の傷跡は今なお色濃く残っているカンボジア。 CYRの主な活動は、カンボジアの各地で保育の支援や、女性の自立支援。貧しい農村部では、4ヶ所の保育所を運営し、貧富の格差が広がっている都市部では、貧しい地区での保育支援を行っている。 実際に現地で使われている教材を見せてもらった。 クメール語でものの名前が書かれた文字絵本。小さな頃、自分も夢中になって読んでいたような記憶がある。 絵本なのだが、クメール語も何かの絵のように見える。とても変わった、面白い文字である。 そして、木で作られた数字を学ぶためのパズル。更に、20年前にCYRがカンボジア難民キャンプで作り始めた手作りの人形。抱いてみたがかなり硬い。これは子供たちが抱いたときに安心が得られる硬さになっているという。所々に、子供たちに対する配慮がなされている。 実際、日本にある既成のものは送らないそうだ。その地域の中にあるものを使って、現地の人の手で創られている。もちろん直すことも自分たちの手で行う。 支援が終わった後も、自分たちの手で生活を続けることが出来る事が一番重要なことであるからだ。 一言で復興といっても、1〜2年の話ではない。今ある状態の改善と同時に、未来を見据えた支援も必要である。 長期の内戦の歴史は事実として知って行く必要があるが、子供たちが大人になったときに、自立ができ、平和を願う気持ちを持った大人になって欲しいと、今回話を伺った松井かなこさんもおしゃっていた。 日本国内の小中高学校でもボランティアを課外授業に取り入れるところが増えてきている。世界に目を向けるチャンスが広がっている。 カンボジアはもちろん、日本の在り方も今後どのように変化が起こるのだろう。ちょっと楽しみになった。 P.S 今回はなしを伺ったのは、優しい口調の松井かな子さん。ありがとうございました。幼い頃にお世話になった、幼稚園の先生とだぶってしまった・・ |