ブレーメンの音楽隊、3びきのこぶた、ぐりとぐら、バーバパパ。
どれも子供の頃に読んだ記憶がある絵本。
世界の国には学校に行きたくても行けない子供たちが多くいるのは知っての通りだが、
子供向けの本や、絵本がまったく存在しない国もあるという。
それがラオスとカンボジアである。
この国に絵本を届ける運動を行っているのが、シャンティ国際ボランティア会である。
日本の絵本をどのように届けるのか?
各ページの日本語を現地の言葉で訳した文章がシールになり、ボランティアの人達の手によって貼られ、ラオス、カンボジアの子供たちのために生まれ変わり送られて行く。
一人一人の手作業によって、遠く離れた国で新たな絵本として読まれることになる。
2004年には14559冊もの絵本を送ることが出来た。
現地では移動図書館も開かれ、多くの子供たちが到着するその日を待ちわびている。
シャンティ国際ボランティア会のスタッフさんが絵本を読んで聞かせることもあるそうだ。
写真を見せてもらったが、水あめが配られれば古き日本の紙芝居に集まる子供たちの風景そのものである。
取材の中で、1冊の読み古された絵本を見せてもらった。多くの地域で多くの子供たちに、何度も何度もページをめくられ、ボロボロになった絵本。
子供たちの真剣な眼差しと、笑顔が想像できる。
つぎはぎだらけだが、どんなに著名な作者が書いた本より、どんなに知識の詰まった本よりも価値ある1冊に思えた。
 自分が切り貼りをして作ったラオスやカンボジアで読まれる絵本には、最後のページに現地の言葉で自分の名前を書き込める。
もしかしたら、あなたが一番有名な日本人になるのかもしれない。


P.S 沢山の話を聞かせてくれた高橋久夫さん、佐藤麻弥さん
ありがとうございました。
(C)SVA
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お話を聞かせて下さった高橋久夫さんと佐藤麻弥さん
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