一年間で一万円が役に立つ。一ヶ月に、900円弱。
なんとこれだけのお金で、タイやラオスの子供たちが一年間学校に通うことが出来るのだ。驚きの数字だった。
今回の取材先、日本民際交流センターの広報担当、高橋厚子さんが力強い口調で話を聞かせてくれた。
貧困のために教育を受けることが出来ない子供たちが沢山いる事実を。
タイの都市と地方の経済格差は大きく、農村部の平均収入は首都圏の10分の1以下。
そのため小学校から中学校への進学率は60%。
ラオスでは、小学校5年間は義務教育にもかかわらず、卒業率は40%にすぎない。
貧困のため子供も重要な労働力でもあったり、親が教育に対して必要性を感じていなかったり、現地の理由は様々である。
日本民際交流センターでは、ダルニー奨学金によってタイやラオスの子供たちの就学を支援する国際教育里親システムを行っている。
援助物資やお金を送ることによって、現地の人々に依存心を持たせてしまうより、自立心を育てて、故郷の今後の発展んい貢献して行くためにも
「教育」の必要性を選択した。
奨学金で学校に通うことが出来る子供たちは、より貧しい家庭から選ばれているのだが、まだまだ全ての子供たちに支援の手は届いていない。
高橋さんとの話の中で、「特権を持つ人々には、それに伴った義務が伴う」といった言葉が印象的だった。
タイやラオスの人達からすると、日本人は特権を持った人々であるのだろう。
日々の生活の中で、心の余裕を持てない限り海外に目を向けるのは難しいのかも知れない。
ただ、一年間に一万円で一年間の教育が受けられる・・・。
何度もつぶやいてしまった大きな事実だった。

(1)奨学金で中学進学できたタイの子どもと高床式の自宅
(2)学校で勉強できることに感謝し、将来に夢や希望を持つ子どもたち(ラオス) (3)強風や強雨で倒壊しそうな簡易校舎で学ぶラオス児童たち
(4)家事労働の一つとして毎日、水を運ぶ少年(ラオス) (5)スタディツアーでタイ東北地方を訪ね、支援する奨学生に
奨学金を手渡す日本人ドナー(奨学金支援者)