社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
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チャドの難民キャンプに
逃れてきたスーダンの少年。
写真・Phillip Cox
チャドのアドレ難民キャンプにいるスーダンの人びと.。写真・AI
(c) アジア女性資料センター。
ソウルの日本大使館前で抗議行動をする元「従軍慰安婦」たち。
米国製ブルドーザーが、西岸地区ラス・アティア近くで、
壁/フェンスを建設するために土地を掘り起こしている。
(写真/AI 2003年9月)
人権は誰のためにでもあるわけではない。弱い立場の人達のためにある。強い立場の人達は、弱い立場の人を守る義務がある。今回インタビューをさせて頂いた、寺中さんの言葉である。静かな物腰ながら、熱く語ってくれた。お邪魔したのは、アムネスティ・インターナショナル・ジャパン。1961年にロンドンで立ち上がった人権擁護団体。事の始まりは1960年。イギリスの弁護士ピーター・べネンソンがある朝、一つの新聞記事を見つけた。当時、軍事政権下にあったポルトガルで二人の学生が逮捕され、七年間の禁固刑をいいわたされた。理由は「自由のために乾杯」と叫んだ為。信じられない。この他にも、世界中で正義が踏みにじられている状況に心を痛めたピーターが宗教上の信念、政治的見解、性別、人種などの理由で投獄されているすべての人々を救おうと考えたのが始まりである。そういった囚人達を、アムネスティ・インターナショナルでは「良心の囚人」と呼んでいる。彼らを救い出すために、世界150カ国、180万人を超える会員達が行動を起こしている。方法は、手紙を書くこと。白い紙にペンを持って、テーブルに向かうという、本当に簡単な行為。これによって、これまで不可能だと思えることを成し遂げている。1人が1枚の手紙を書き、または、要請文が書かれたハガキに署名をし投函し続けている。小さな力でも、沢山の人々の力が集まることで、政府をも動かしている。僕は難しい人権の問題を弁護する事は出来ないが、僕にも手紙を書くことは出来る。世界の事実に耳を傾けることは出来る。
一人でないと判れば、闘う勇気も湧いてくる。自分の正義を信じてくれている人がいれば、良心の囚人と呼ばれる人も心の支えになるのだろう。アムネスティ・インターナショナルのシンボルマークは、有刺鉄線にかこまれて燃えるローソク。正義が踏みにじられるこの世界で、希望の火を燃やし続けようとの意味。決して消えることのない、大きな炎を、寺中さんの中にも感じることが出来た。
<まさのりレポート>
広報の寺中さん。